モビルスーツ

ゲルググ完全ガイド— 全シリーズ横断で徹底解説【初代〜GQuuuuuuX】

ゲルググ完全ガイド — 全シリーズ横断で徹底解説【初代〜GQuuuuuuX】
目次
  1. 01「あと数ヶ月早ければ——」ゲルググが背負った宿命
  2. 02初代ゲルググ(MS-14)— 一年戦争の最強量産機
  3. 03主要パイロットたち — エースが駆けた「最強量産機」
  4. 04全シリーズのゲルググバリエーション — UC時系列完全ガイド
  5. 05GQuuuuuuXのゲルググ(gMS-01)— ジオン版GM
  6. 06デザインの歴史 — 大河原邦男から山下いくとへ
  7. 07文化的影響 — 「遅すぎた名機」が残したもの
  8. 08ガンプラガイド
  9. 09関連記事
  10. 10出典

「あと数ヶ月早ければ——」ゲルググが背負った宿命

宇宙世紀0079年12月31日、宇宙要塞ア・バオア・クー。ジオン公国軍が誇る最新鋭量産機が、最終決戦の宙域に放たれました。出力1,440kW、ジオン初のビームライフルを標準装備し、スペック上はあのRX-78-2ガンダムすら凌駕する——MS-14 ゲルググです。

しかし、そのコックピットに座っていたのは歴戦のベテランではなく、つい数週間前まで教室で講義を受けていた学徒兵たちでした。操縦桿を握る手は震え、レーダーの読み方もおぼつかない若者たちが、ガンダムを超える性能を持つ最新鋭機を託された——これが「遅すぎた名機」と呼ばれるゲルググの原点です。

あと数ヶ月、いや数週間でも早く量産が間に合っていたなら。ベテランパイロットが慣れ親しんだザクやドムからゲルググに乗り換える時間さえあれば。一年戦争の結末は、まったく違ったものになっていたかもしれません。

それから45年。ゲルググは0080、0083、ZZ、UC、サンダーボルトと数々の作品でバリエーションを展開し、2025年の『機動戦士Gundam GQuuuuuuX(ジークアクス)』ではついにまったく新しい解釈で生まれ変わりました。GQuuuuuuXの世界では、ジオンがガンダムを鹵獲して戦争に勝利したため、ゲルググは「ガンダムの技術から量産された、ジオン版ジム(GM)」——ファンから「ゲルググというかジム」と呼ばれる衝撃のデザインで登場したのです。

この記事では、初代から最新作まで、全シリーズを横断してゲルググの全貌を解説します。

初代ゲルググ(MS-14)— 一年戦争の最強量産機

基本スペック

項目 詳細
型式番号 MS-14A(量産型) / MS-14S(先行量産型)
頭頂高 19.2m
本体重量 42.1t
全備重量 73.3t
出力 1,440kW
スラスター推力 61,500kg
装甲材質 超硬スチール合金
センサー有効半径 6,300m
開発 ジオニック社
所属 ジオン公国軍
デザイナー 大河原邦男(クリンナップ)/ 富野由悠季(原案ラフ)

ゲルググは全高19.2mとザクII(17.5m)より一回り大きく、ジェネレーター出力1,440kWはザクII(976kW)の約1.5倍に達します。この圧倒的なパワーにより、ジオン量産機として初めてビームライフルの運用が可能になりました。

開発経緯 — ジオニック社 vs ツィマッド社の競合

一年戦争中期、地球連邦軍のモビルスーツ開発情報がジオンに伝わると、ジオン公国軍は次期主力MSの開発を決定しました。この開発計画にはジオニック社とツィマッド社の2社が参加し、熾烈な競争が繰り広げられます。

  • ジオニック社: ザクの開発実績を持つ老舗。汎用性を重視した「ゲルググ」(開発コード:XMS-11)を提案。ビームライフルの搭載を前提とした設計で、あらゆる戦況に対応できる万能機を目指しました。
  • ツィマッド社: グフ・ドムで実績を積んだ新興勢力。白兵戦に特化した「ギャン」を提案。ビームサーベルとシールドを駆使する騎士型の格闘機でした。

ジオン軍の査定の結果、汎用性に優れたゲルググが次期主力機に採用されました。ギャンは近接格闘では優れていましたが、ビームライフルを持たないため火力で劣り、量産機としての汎用性に欠けると判断されたのです。この決定は後にギャンをマ・クベの専用機として唯一の存在にし、「量産されなかった名機」というもう一つの悲劇を生むことになります。

歴史的意義 — ジオン初のビームライフル搭載量産機

ゲルググの最大の革新は、量産機として初めてビームライフルを標準装備したことです。それまでのジオン量産機(ザク、グフ、ドム)は実弾兵器しか持てず、ガンダムのビームライフルに対して決定的な火力差がありました。

ビームライフル1発の威力は、戦艦の主砲に匹敵します。これを量産機が手にするということは、一般兵でも連邦の戦艦を撃沈できる可能性があるということです。ゲルググはその差を埋めるどころか、出力・推力ともにRX-78-2ガンダムを上回るスペックを持つ高性能機でした。

「遅すぎた」悲劇 — 学徒兵とゲルググ

総生産数は約738機。しかしビームライフルの量産が0079年11月にずれ込んだため、完全装備での配備は大幅に遅延しました。一年戦争の最終決戦であるア・バオア・クー戦に投入できたのはわずか67機。

さらに皮肉なことに、ベテランパイロットは慣れ親しんだザクやドムからの機種転換が間に合わず、新型機であるゲルググを回されたのは実戦経験の乏しい学徒動員兵ばかりでした。高性能機を未熟なパイロットが操るという「宝の持ち腐れ」——これがア・バオア・クーにおけるゲルググの現実でした。

学徒兵たちは数週間の促成訓練だけでゲルググのコックピットに座らされ、ビームライフルの照準すらまともに合わせられない状態で最前線に送り出されました。高機動なゲルググの性能を引き出すどころか、基本的な回避機動さえ覚束ない。ガンダムを超えるスペックは、パイロットの技量なしには意味をなさなかったのです。

「ア・バオア・クーで散った学徒兵たちの魂は、ゲルググという名機の評価と共に語り継がれる」——ガンダムファンの間で広く知られる一節。

武装 — ジオン製ビーム兵器の到達点

武装 種別 特徴
ビーム・ライフル 射撃兵器 ジオン初の量産型MS用ビームライフル。ガンダムに匹敵する威力
ビーム・ナギナタ 格闘兵器 柄の両端からビーム刃を発生。ゲルググの象徴的武器
シールド 防御装備 大型楕円形シールド。対ビームコーティング装備

ビーム・ライフル

ジオン公国軍が初めて量産に成功したMS用ビームライフル。エネルギーCAP方式を採用し、メガ粒子を圧縮して発射します。1発の威力はガンダムのビームライフルと同等以上——つまり、連邦の主力艦すら一撃で貫く火力を量産機が手にしたことになります。しかし、このビームライフルの量産こそがゲルググの配備を遅らせた最大の原因でもありました。

ビーム・ナギナタ

ゲルググを最も象徴する武器。柄の両端からビーム刃を展開する薙刀型の格闘兵器で、通常のビームサーベルとは一線を画す攻撃範囲を誇ります。回転させながら振るうことで広範囲の敵を薙ぎ払い、また両端のビーム刃で攻防一体の戦闘が可能。シャアがテキサスコロニーでアムロのガンダムと死闘を繰り広げた際にも、このビーム・ナギナタが猛威を振るいました。

シールド

大型の楕円形を呈する専用シールド。表面に対ビームコーティングが施されており、ビームライフルの直撃にも一定の耐性を持ちます。ザクの肩シールドとは比較にならない防御面積を確保し、ゲルググの高い生存性に貢献しました。

主要パイロットたち — エースが駆けた「最強量産機」

シャア・アズナブル — 先行量産型ゲルググ(MS-14S)

「見せてもらおうか、連邦軍のモビルスーツの性能とやらを」 ——シャア・アズナブル(初代ガンダム第1話、ザク搭乗時の台詞。のちにGQuuuuuuXでもゲルググ搭乗を経た同キャラの名言として再解釈される)

「赤い彗星」シャア・アズナブルは、先行量産型ゲルググ(MS-14S / YMS-14)に搭乗した最初のパイロットの一人です。ブレードアンテナを装備した指揮官仕様で、機体色はシャアのパーソナルカラーである赤。

テキサスコロニーでの戦闘では、ゲルググに乗り換えたばかりのシャアがアムロのガンダムと激突しました。しかし機種転換の時間が足りず、ゲルググのポテンシャルを十分に引き出せなかったとも言われています。ア・バオア・クー最終決戦でもゲルググで出撃しましたが、ガンダムとの死闘の末にコックピットから脱出し、以後はモビルスーツを降りて白兵戦に移行しました。

シャアのゲルググは、エースパイロットであってもなお新型機への慣熟には時間が必要だということを示す象徴的な存在です。

アナベル・ガトー —「ソロモンの悪夢」

「ソロモンよ、私は帰ってきた!」 ——アナベル・ガトー(0083 スターダストメモリー 第9話)

ジオン公国軍のエースパイロット、アナベル・ガトーは一年戦争時に先行量産型ゲルググに搭乗し、ソロモン防衛戦で連邦軍に多大な損害を与えました。撤退戦ではア・バオア・クーへ向かう艦隊のしんがりを務め、追撃してきた連邦軍のジム部隊を壊滅状態に追い込んだことから「ソロモンの悪夢」の異名を獲得しました。

のちの0083年(スターダストメモリー)では、連邦軍基地からガンダム試作2号機を強奪し、ソロモン(コンペイトウ)の観艦式に核攻撃を仕掛けるという大胆な作戦を遂行。この時の「ソロモンよ、私は帰ってきた!」という叫びは、ガンダムシリーズ屈指の名セリフとして語り継がれています。

ジョニー・ライデン —「真紅の稲妻」

項目 詳細
異名 真紅の稲妻
搭乗機 MS-14B 高機動型ゲルググ
パーソナルカラー 真紅と黒
階級 少佐
所属 キマイラ隊(エース部隊)

MSV(モビルスーツバリエーション)で登場したジョニー・ライデンは、シャアに並ぶジオンのエースパイロットです。高機動型ゲルググ(MS-14B)を真紅と黒のパーソナルカラーで塗装し、キマイラ隊の一員として戦場を駆け抜けました。ゲルググの高い基本性能に大型ブースターの推力を加えた高機動型は、ジョニーの攻撃的な戦闘スタイルと完璧にマッチしていました。

シン・マツナガ —「白狼」

白いカラーリングの高機動型ゲルググ(MS-14B)を駆った「白狼」ことシン・マツナガ少佐。ジョニー・ライデンと同じキマイラ隊に所属し、正確無比な射撃と冷静な判断力で数多くの戦果を挙げました。赤のジョニー、白のマツナガ——二人のエースカラーが並ぶ光景は、MSVファンにとって至高の情景です。

シーマ・ガラハウ — ゲルググマリーネ指揮官

0083に登場したシーマ・ガラハウ中佐は、ゲルググマリーネの指揮官仕様(MS-14Fs)に搭乗。デラーズ・フリートの一員として星の屑作戦に参加しましたが、最終的には連邦側に寝返るという複雑な立場を演じました。海兵隊仕様のゲルググマリーネは、シーマの冷酷さと機敏さを体現する機体でした。

全シリーズのゲルググバリエーション — UC時系列完全ガイド

45年以上にわたり、ゲルググは様々な作品で新たなバリエーションが追加され続けています。

主要バリエーション一覧

型式番号 名称 登場作品 特徴
MS-14S シャア専用ゲルググ 機動戦士ガンダム 先行量産型。ブレードアンテナ装備
MS-14A ゲルググ量産型 機動戦士ガンダム 標準仕様。約738機生産
MS-14B 高機動型ゲルググ MSV 大型ブースター追加。ジョニー・ライデン機が有名
MS-14C ゲルググキャノン MSV 中距離支援型。ビームキャノン搭載
MS-14Jg ゲルググイェーガー 0080 ポケ戦 精密射撃特化。ビームマシンガン装備
MS-14F ゲルググマリーネ 0083 海兵隊仕様。シーマ機が有名
MS-14D デザートゲルググ ガンダムUC 砂漠・熱帯仕様。隠密作戦向き
MS-14J リゲルグ ガンダムZZ / UC アクシズで改修された強化型
MS-14A(TB版) ゲルググ(サンダーボルト) サンダーボルト 4本のプロペラントタンク搭載

高機動型ゲルググ(MS-14B)— エースの証

高機動型ゲルググは、背部に大型ブースターユニットを追加した宇宙戦闘特化型です。標準型の61,500kgを大幅に超えるスラスター推力により、宇宙空間での機動性はゲルググ系列で最高クラスに達しました。ジョニー・ライデンの真紅の機体とシン・マツナガの白い機体は、キマイラ隊の象徴としてMSVファンに絶大な人気を誇ります。

ゲルググイェーガー(MS-14Jg)— 0080の狙撃手

出渕裕デザインによる狙撃特化型。「イェーガー」はドイツ語で「猟兵」を意味します。サイクロプス隊のミハイル・カミンスキー(ミーシャ)が搭乗し、前腕部のビームスポットガンと大型ビームマシンガンを装備。パルスビーム弾と長距離単射ビームの切替が可能で、遠距離から正確に敵を仕留める精密射撃に特化した設計です。0080のリアルな戦闘描写と相まって、「ゲルググの中で最もカッコいい」と評するファンも多い人気機体です。

ゲルググマリーネ(MS-14F)— 0083の海兵

明貴美加デザインの海兵隊仕様。前腕部に110mmマシンキャノンを内蔵し、ナックルシールドを装備。「ランドセル」と呼ばれる大型バックパックにより高い機動性を実現しています。デラーズ・フリートのシーマ・ガラハウが指揮官用(MS-14Fs)に搭乗し、星の屑作戦で暗躍しました。

リゲルグ(MS-14J)— ZZ時代まで生き延びた系譜

アクシズに辿り着いたゲルググを大幅に改修した発展型。ガザCの量産開始までアクシズの主力MSとして運用され、推力と火力がともに強化されています。UC 0096年の「袖付き」仕様も確認されており、ゲルググの設計思想が一年戦争後もなお通用することを証明しました。『ZZ』では最新鋭のZZガンダムやZガンダムを相手に善戦する場面もあり、リゲルグの基本設計の優秀さが際立ちます。

GQuuuuuuXのゲルググ(gMS-01)— ジオン版GM

正史との決定的な違い

GQuuuuuuXの世界線では、ゲルググの位置づけが根本から変わります。

正史: ザクの後継として独自開発された高性能量産機。ジオニック社がジオンの技術の粋を集めて設計。 GQuuuuuuX: シャアが鹵獲したガンダム(RX-78-02)のデータを基に、ガンダムを簡略化・量産化した「ジオン版GM」。

正史では連邦がガンダムからGMを量産しましたが、GQuuuuuuXではジオンがガンダムからゲルググ(gMS-01)を量産しました。開発の出自がGMと同じため、外見もGMに酷似しています。ファンの間では「ジークアクスのゲルググというかジム」と呼ばれるほどで、初見のファンを驚かせたデザインです。

GQ版 基本データ

項目 詳細
型式番号 gMS-01
分類 汎用量産型MS
開発元 ガンダムのデータを逆工学して開発
所属 ジオン公国軍
デザイン 山下いくと(ラフ)+ 伊央拓也(クリンナップ)

型番「gMS-01」の意味

  • g: Gundam(ガンダム)由来を示す接頭辞
  • MS: Mobile Suit
  • 01: ガンダム型量産MS第1号

この型番自体が、GQuuuuuuXにおけるゲルググの本質を物語っています。「ジオニック社の独自開発」ではなく「ガンダムからの派生」——それが正史のゲルググとの最大の違いです。

GQ版の武装

武装 種別 特徴
ビームライフル ×2 射撃兵器 両手に1丁ずつ携行可能。未使用時はリアスカートに懸架
ビームサーベル 格闘兵器 柄の両端からビーム刃を展開。正史ゲルググのビーム・ナギナタの系譜
ワイヤー射出装置「スティグマ」 特殊兵器 ワイヤーを高速射出してMSの装甲を貫通する特殊武装

「スティグマ」はギリシャ語で「傷跡」を意味します。撃破された機体に残る小さな穿孔痕から名付けられたとされ、スガイの代名詞的な武装です。ワイヤーで相手のMSを拘束しつつ自機の軌道を急変させることで、相手から見れば瞬時に死角へ回り込んだかのような動きを実現します。

パイロット — スガイとボカタ

シイコ・スガイ(「魔女 / The Witch」)

項目 詳細
所属 CRS(クラン)
経歴 元地球連邦軍エース。一年戦争で100機以上撃墜
異名 魔女(ウィッチ)
機体カラー 白・赤・黄
特殊改修 モスク・ハンの「摩擦キャンセレーション駆動技術」で関節応答速度が向上

スガイは量産機で100機以上を撃墜した伝説的なスーパーエース。独自の「スティグマアタック」——ワイヤーで相手の動きを拘束しつつ自機も不規則な軌道を取り、死角からビームライフルを叩き込む戦法——で知られます。さらに、ワイヤーを介してビームライフルを遠隔射撃するという離れ業も可能にしており、敵からすれば「突然背後から撃たれる」ような体験を味わうことになります。

第4話「魔女の戦争(The Witch's War)」で本格登場し、赤いガンダムとの激闘を繰り広げます。しかし、スティグマアタックの負荷に機体が耐えきれず、ゲルググが限界を超えた瞬間、コックピットにビームサーベルを突き立てられて命を落としました。量産機の限界を超えた戦いが、エースの命を奪ったのです。

ボカタ

スガイの僚機(MAV)パイロット。ライトグレー・グリーン・白のカラーリングでクランバトルに参加。スガイとの連携で数多くの勝利を収めており、スガイの「魔女」としての戦い方を最も近くで支えた存在です。

デザインの歴史 — 大河原邦男から山下いくとへ

初代ゲルググのデザイン(1979年)

ゲルググのデザインは、富野由悠季監督のラフスケッチを大河原邦男がクリンナップする形で完成しました。大河原自身が語るところでは、ザクやグフ、ドムあたりまでは自身が主導してデザインしていたが、ゲルググのあたりから富野監督が「目覚めた」——つまり監督自身が積極的にデザインの方向性を示し始めたとのことです。

ザクのモノアイと無機質な丸い頭部を継承しつつ、より洗練された人型プロポーションに仕上げたことで、ジオン最強の量産機にふさわしい風格が生まれました。当時、ジオン側MSのプラモデル商品化は計画されていなかったため、玩具的な制約に縛られずにデザインできたことが、ゲルググの完成度の高さにつながっています。

GUNDAM.INFOが実施した「富野監督がラフデザインを描いたメカ」のファン投票では、ゲルググが1位に輝いています。富野ラフの時点で基本デザインがほぼ完成していたことが、この高い評価の理由でしょう。

GQuuuuuuXのリデザイン(2025年)

山下いくとのラフデザインを伊央拓也がクリンナップ。ガンダムのデータから開発されたという設定に忠実に、GMに似たシルエットを与えながらも、腕部と顎の部分にはかすかに正史ゲルググの面影を残しています。

「ゲルググなのにGMに見える」——このデザインが設定上の整合性を視覚的に体現しており、ファンからは「設定を理解した上での巧みなデザイン」として高い評価を受けています。正史のゲルググを知っているファンほど、このデザインの意味に深く感動する仕組みになっています。

文化的影響 — 「遅すぎた名機」が残したもの

「遅すぎた」——ビジネスとエンジニアリングの教訓

ゲルググの悲劇は、ガンダムファンの間で「技術的に優れた製品でも、市場に出るタイミングが遅ければ意味がない」という教訓として語られています。IT業界やビジネスシーンでも「ゲルググの悲劇」「遅すぎた名機」という表現が使われることがあり、完璧な製品を遅く出すよりも、そこそこの製品を早く出す方が勝つという「ザク的アプローチ」との対比で引用されます。

学徒兵の悲劇 — 戦争のリアリティ

ア・バオア・クーで高性能のゲルググに乗せられた学徒兵の描写は、リアルロボットアニメとしての『ガンダム』の真骨頂です。太平洋戦争末期に未熟なパイロットが高性能の零式艦上戦闘機や紫電改に乗せられたという史実との類似性を指摘するファンも多く、富野監督が意図した戦争批判のメッセージが込められています。

「機体が良くても乗り手が育たなければ意味がない」——この命題は、ザクの「パイロット次第で雑魚にも脅威にもなる」というテーマと表裏一体の関係にあります。

エースパイロット文化の源流

ゲルググは「エース専用機」という概念を花開かせた機体でもあります。シャアの赤、ジョニー・ライデンの真紅と黒、シン・マツナガの白——パーソナルカラーで塗装された高性能機にエースが乗るという文化は、ゲルググのバリエーション展開によって大きく広がりました。MSV(モビルスーツバリエーション)でのゲルググの展開がなければ、後のカスタムカラー文化やエースパイロット列伝は生まれなかったかもしれません。

GQuuuuuuX版の衝撃 — 「ゲルググなのにジム」

2025年のGQuuuuuuXで発表されたgMS-01のデザインは、ファンの間で大きな話題を呼びました。「ゲルググなのにGMに見える」「名前だけゲルググ」という声と、「設定を理解すれば完璧なデザイン」「むしろ天才的」という評価が入り混じり、SNSではGQuuuuuuXの話題の中でも特に議論が活発になったトピックの一つです。正史を知る古参ファンほど衝撃を受けるデザインであり、「ガンダムシリーズの懐の深さ」を示す好例として語られています。

ガンプラガイド

GQuuuuuuX ゲルググキット

HG 1/144 ゲルググ スガイ機(GQ)(HGGQX #03)

項目 詳細
価格 2,420円
発売日 2025年5月3日
付属品 ビームライフル×2、ビームサーベル(両端展開可)、ワイヤー用リード線、専用ハンドパーツ、マーキングシール

スガイのパーソナルカラー(白・赤・黄)を成型色で再現。スティグマアタックのワイヤーを再現するリード線パーツが付属し、劇中の印象的な戦闘ポーズを再現可能。GQuuuuuuXキットの中でも人気が高く、発売直後に品薄になった話題のキットです。

HG 1/144 ゲルググ ボカタ機(GQ)(HGGQX #05)

項目 詳細
価格 2,420円
発売日 2025年6月
付属品 ビームライフル×2、ビームサーベル、ワイヤー用リード線、マーキングシール

ライトグレー・グリーン・白のボカタ機カラーを再現。スガイ機と並べて飾ると、クランバトルのペア出撃シーンを再現できます。

P-Bandai限定 HG ゲルググ(GQ)一般仕様

項目 詳細
価格 2,420円
発売予定 2026年5月
備考 プレミアムバンダイ限定。制式採用グリーン・グレーカラー

定番クラシックキット

キット スケール おすすめポイント
MG シャア専用ゲルググ Ver.2.0 1/100 ゲルググの決定版MG。内部フレーム一新。赤い機体が映える
MG ゲルググ(ガトー専用機)Ver.2.0 1/100 ソロモンの悪夢を手元に。MG Ver.2.0フレームの完成度
HGUC ゲルググイェーガー 1/144 0080版の狙撃特化型。シャープなデザインが魅力
HGUC ゲルググマリーネ 1/144 0083版の海兵隊仕様。ナックルシールドが特徴的
HGUC ジョニー・ライデン専用ゲルググ 1/144 真紅の稲妻を手軽に。エース機入門に最適
MG ジョニー・ライデン専用ゲルググ 1/100 2024年発売の新作MG。圧巻のディテール

製作のコツ

  • GQ版はスガイ機がおすすめ: 白・赤・黄のカラーリングが映え、スティグマアタックのポーズが決まります。
  • パネルラインはグレー系がGQ版の柔らかいカラーに合います。黒ではなくダークグレーを選ぶと上品な仕上がりに。
  • 正史ゲルググと並べて飾ると、同じ「ゲルググ」でもまったく異なるデザインアプローチの比較が楽しめます。正史の重厚な軍用機感とGQ版のGM的なスマートさの対比は、ガンダムファンへの話題提供にもなります。
  • MG Ver.2.0を選ぶなら、シャア機とガトー機を並べるのがおすすめ。同じフレームで異なるカラーリングとマーキングの違いを味わえます。

関連記事

出典

  • 『機動戦士ガンダム』TVシリーズ、サンライズ、1979-1980年
  • 『機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争』OVA、サンライズ、1989年
  • 『機動戦士ガンダム0083 スターダストメモリー』OVA、サンライズ、1991-1992年
  • 『機動戦士ガンダムZZ』TVシリーズ、サンライズ、1986-1987年
  • 『機動戦士ガンダムUC』OVA、サンライズ、2010-2014年
  • 『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』TVシリーズ、サンライズ / スタジオカラー、2025年
  • MSV(モビルスーツバリエーション)設定資料
  • バンダイスピリッツ ホビー公式サイト(bandai-hobby.net)
  • GUNDAM.INFO(gundam.info)
  • Gundam Wiki(gundam.fandom.com)

間違いや最新情報があればお知らせください。正確さを大切にしています。